天台宗。山号は清巌山。京都洛西観音霊場第9番。 寺伝によると、延喜年間(901〜923年)園城寺(三井寺)で修行した千観上人が開いたとされる。しかし旧長法寺村に残る江戸期の古文書によれば、962年創建で比叡山延暦寺正覚院の末寺となっている。千観上人は918年生まれというから、延喜年間の開創というのは無理があるよう。 ただ、かつて平安時代の仏画の二大傑作の一つと言われた「釈迦金棺出現図」掛幅(国宝)を所蔵していたことから、平安時代にはかなり栄えていたことがうかがえる。 また本堂前には千観供養塔と伝えられる鎌倉時代の三重の石塔があり、境内の西北隅には巌窟から泉(溺泉)が湧き出ている。
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