御神体(人形)は緋縅の鎧に太刀をつけ、梨地蒔絵の台に紅梅を一杯にもってこれをささげている。頭は1500年の制作。胴は1794年、町内に住んでいた彫刻師、勇祐の作であるという。前懸の緋羅紗地に蘇武牧羊図、胴懸の張騫巨霊人に鳳凰と虎を配した刺繍は円山応挙(1733〜1795年)の下絵である。見送は福禄寿、弁財天に唐子を配した綴錦で1798年の作である。なおこれらの前懸、胴懸、見送等は全て近年復元新調している。また円山応挙の下絵は屏風に仕立て宵山に公開される。他に旧胴懸としてヨーロッパ捺染(19世紀)のものが大切に保存されている。水引は明国の官服で雲龍波濤文様に鳳凰、鶴、虎を配した胸背継ぎで、特に孔雀の羽根を縫込んだ刺繍の逸品である。
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