町内にあった菊水井戸にちなむ。
１８６４年の兵火で鉾は焼失したが、１９５２年（昭和２７年）８８年ぶりに再興、翌年６月に完工祭を斎行した。
稚児人形は、魏の文帝の勅使が薬水を求めて山に入った時に出会った、菊の露を飲んで７００年生き続けた少年をあらわしている。()

屋根は唐破風(からはふ)造りで、彫師海老名峰彰(えびなほうしょう)作の鳳凰の懸魚(げぎょ)を飾り、軒下に翠簾(すいれん)を掲げるところは特に他の鉾と異なる。１９５４年（昭和２９年）皆川月華(げっか)作唐獅子図の胴懸(どうかけ)と飛鶴図(ひかくず)の前懸(まえかけ)が、１９５８年（昭和３３年）には山鹿清華(やまがせいか)作の一番水引、１９６０年（昭和３５年）には皆川泰蔵作の二番水引が加わり、１９６１年（昭和３６年）には月華作孔雀図の豪華な見送(みおくり)が完成した。１９６４年（昭和３９年）には三輪晁勢(ちょうせい)筆天井絵が、その後、小林尚�a(しょうみん)作の錺(かざり)金具が製作された。引き続いて、晁勢(ちょうせい)筆の天水引、月華作の下水引、岩澤重夫筆の深山菊水図綴織(つづれおり)見送等も新調された。()

鉾頭(ほこがしら)には金色透かし彫十六弁菊花を付け、真木(しんぎ)の中ほどの天王座(てんのうざ)には彭祖(ほうそ)（中国古代の伝説上の長寿者）像を祀る。()