寺社巡り覚書
天の岩戸
神路山の逢坂峠のふもとにある洞窟で、付近一帯は高天原とも呼ばれている。
「古事記」の中に出てくる有名な神話、天照大御神(あまてらすおおみかみ)須佐之男命(すさのおのみこと)の悪事を戒めるため、岩戸の中に隠れてしまったという伝説にちなんだ洞穴がある。この伝説にちなんだ洞穴は各地にあるが、この地も付近一帯が杉の木立でうっそうとし、ひんやりとした霊気につつまれ、岩穴から渾々と清水が湧き出ている。()

この洞穴より湧き出る清水は高さ3m程の禊滝(みそぎたき)と呼ばれる滝になっており、この付近一帯の重要な生活水となる神路ダムへ流れ込んでいる。この湧水は日本の「名水百選」にも選ばれている。またこの神路川は昔、“裏の五十鈴川(いすずがわ)”と呼ばれていたこともあり、伊勢神宮とのゆかり深い地域として知られている。()