真言宗御室派。山号は登志山(としざん)。本尊は阿弥陀如来。
九州八十八ヶ所百八霊場第８３番札所。札所本尊は毘沙門天。
誓願寺建立縁起によると、１１７０年に筑前怡土(いと)・志摩(しま)両郡の荘園であった怡土(いと)荘の豪族仲原氏の娘が、丈六の阿弥陀像の造立を発願、１１７５年に寛智法師が誓願寺を建立したという。その際に臨済宗の宗祖である栄西禅師が本尊の開眼供養を修した。()

栄西禅師は宋版一切経(そうはんいっさいきょう)の渡来を本寺で待ち、その間に数々の著述を行った。中でも「誓願寺盂蘭盆縁起(うらぼんえんぎ)」は栄西直筆の書として国宝に指定されている。この他に、本寺には中国の呉越国から分与された「銭弘俶八万四千塔(せんこうしゅくはちまんよんせんとう)」、元からもたらされた「孔雀文沈金経箱(くじゃくもんちんきんきょうばこ)」など、対外交流を裏付けるものが多数伝えられている。これらは国の重要文化財に指定されている。()