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浄土宗。正しくは三田山水月院魚籃寺という。本尊は魚籃観世音菩薩。江戸三十三観音霊場第25番札所。寺号は本尊の名に因んで名付けられた。寺の前の坂は魚籃坂という。当寺が坂の中途にあるので名付けられた地名である。 当山の開山称誉上人の師僧である法誉上人が御尊像を豊前の中津に魚籃院を建て奉安していたが、御利益を広く世に伝えようと、御尊像を江戸に移し1630年に江戸の三田の地(浄土宗願海寺境内)に小さい庵を作って祀った。その後、弟子の称誉上人が1652年に現在の地に観音堂を建てて、三田山魚籃寺を創建し現在に至る。()
魚籃(ぎょらん)観世音菩薩 昔、中国から伝来された奇特な御霊像。頭髪を唐様の髷(まげ)に結んだ美しい乙女が、右手に魚を入れた竹籠をさげ、左手で裳裾(もすそ)を少し引き上げている立像。木像で身長は六寸(18cm)程度。 その昔、中国、唐の憲宗(けんそう)の御代(806〜824年)、まだ仏教の教えが伝わっていなかった金沙灘という土地に仏法を広める手立てとして、美しい乙女の姿で現れ、竹籠に魚を入れて売り歩き、やがてその地に仏法を広めたという故事に基づく姿を写し奉ったものである。()