法然上人二十五霊場」とは、浄土宗の開祖である法然上人ゆかりの寺院二十五箇所を巡る霊場巡拝のこと。

京都・如来寺の廊誉順起上人が、当時西国三十三所四国八十八ヶ所等の巡拝が流行し、浄土宗の信徒もこれに参加するのを見て、何とかして法然上人の御遺跡を明らかにし、巡拝を志す人々に手引きを与えたいものと発願したが示寂した。そこで弟子の順阿霊沢上人が遺志を継承し、遺跡を選定、1752年から自ら先達となって巡拝し、『円光大師御遺跡二十五箇所案内記』としてまとめられ、1766年に版行された。二十五箇所の霊場を巡拝するのは、法然上人御入寂の御命日である二十五日にあやかって選定された事によると言われている。 ちょうど1761年は法然上人550回の遠忌にあたり、慧成(えじょう)大師と加諡され、今まで100年毎の遠忌が以後50年毎に行われることになるに加え、この版行は550回遠忌の記念出版となった。ちなみに法然上人は以後50年毎に加諡される習わしとなり、最近では2011年(平成23年)の800回忌に法爾(ほうに)大師を賜っている。

当霊場は浄土宗の寺院を中心にした巡拝であるが、法然上人の御霊跡を巡る霊場ゆえ真言宗や天台宗の寺院も含まれている。札所は中国地方から近畿地方に渡り、誕生から入滅まで、すなわち第1番の美作誕生寺より第25番の京都の知恩院が選ばれ、1974年の浄土宗開宗800年を記念し再興された。 ⇒ 浄土宗のサイト「大師号」へ()