寺社巡り覚書
別府の地獄[国指定名勝]
2009年(平成21年)5月15日に開催された国の文化審議会において、文部科学大臣に「別府の地獄」として国の名勝に指定するよう答申され、2009年(平成21年)7月23日告示された。
指定理由は「日本古来の温泉地として名高い別府の中でも、独特で多様な色彩・形態の下に湧出する観賞上の価値、名所的・学術的価値の高い泉源である。」となっている。対象は海地獄、血の池地獄、龍巻地獄、白池地獄の4地獄。
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海地獄
海地獄
血の池地獄
血の池地獄

(左上)海地獄 今から約1200年前の867年(貞観9年)正月、鶴見岳噴火と共に出来た熱泉のひとつ。水面が海のようなコバルトブルーに見えることからその名が付けられた。温度は約98℃あり、泉脈まで深さは200m以上といわれる。泉質は酸性、水面が青く美しく見えるのは温泉成分に硫酸鉄を多く溶解しているためである。
(右上)血の池地獄 奈良時代に編纂された書「豊後国風土記」に”赤湯泉”の名で記されている。一言で表すと「赤い熱泥の池」。昔からこの赤い熱泥で皮膚病薬(現在の血ノ池軟膏)を作ったり、布や家の柱などの染色を行っていた。

龍巻地獄
龍巻地獄
白池地獄
白池地獄

(左上)龍巻地獄 間欠泉。豪快に噴き出した熱水は、屋根で止められているが約30mほど噴き出す力がある。
(右上)白池地獄 青みを帯びた白色をしている。これは噴出時は透明な湯が池に落ちた際に温度と圧力の低下により青白く変化するためである。熱帯魚館やピラルク館、県指定重要文化財の向原石幢、国東塔や、郷土美術が展示されている「二豊南画堂」等がある。